「大自然の中で120%の安全を目指す私たち。
避雷球による落雷対策はマスト!」
相模湖リゾート株式会社 様
関東最大級600万球のイルミネーション「さがみ湖イルミリオン」や、自然の地形を生かした体感型アトラクションで人気のさがみ湖MORIMORI。首都圏から60分でたどり着ける別天地として、年間80万人が訪れている。大自然の中の施設を長期にわたり運営してきた同社の、安全確保に対する意識は高い。PDCE避雷球の導入は2017年から。相模湖を望む絶壁にあるアスレチック「マッスルモンスター」や、山頂から迫り出す「絶叫吊り橋 風天」に設置している。インターネット情報とPDCE避雷球、複合的な落雷対策で来場者とスタッフを守る支配人様らにお話を伺いました。
【導入製品:PDCE-Magnum(3基)】

[さがみ湖MORIMORI(旧 さがみ湖リゾートプレジャーフォレスト)]
神奈川県相模原市に位置する複合レジャー施設。遊園地・温泉・バーベキュー場・キャンプ場という4つの施設からなる。来場者に四季折々の楽しみ方を提供し、春の桜、夏の「じゃぶじゃぶプール」、秋のバーベキューや紅葉、冬のイルミネーションなどが人気。遊園地は能動的に遊ぶアスレチックが多いことが特徴で、ライド系と呼ばれる乗り物が多い富士急ハイランドとは同じ富士急グループである。
公式ホームページ https://www.sagamiko-resort.jp/


「お客さまを呼べるものを!」 ―アジア初のアミューズメント導入
標高370mの山頂にドイツ製のアスレチック
2016年、親会社である富士急行が、集客力のある新施設としてドイツ製のアスレチックをアジア初導入すると決定しました。高さ16.1メートルのクライミングアトラクション「マッスルモンスター」です。当時、世界に9カ所ある施設はすべて平坦地に作られており、標高370メートルの山頂に設置するのは初の試みです。
雷警報が出たらどうするか
新アクティビティの導入に臨んではさまざまなトラブルを想定しますが、雷対策もその1つでした。
もちろん既存の施設付近にも従来の避雷針で雷対策はしています。しかし避雷針で雷を集めたらそこにお客さまがいる可能性がある、また避雷針に落ちずにマッスルモンスター自体に落雷する可能性もあります。今回の建設予定地付近には避難できる建屋がなく、下山するにもかなりの距離で、その上、お客さまに金属部品があるハーネスを装着して楽しんでいただくものです。
雷警報が出たらどうするか、これまでの雷を集める避雷針でいいのか――。どの避雷針を付けるか議論になりました。

相模湖にせり出し360度の景色が楽しめるマッスルモンスター。5階相当の六角形型の建物にアスレチックエリアが三階層に連なる。最上階からは富士山が臨めることも
これまで事故がなかったことは、これからも事故がないことの保証にならない
初めて知る、雷を集めない避雷針
マッスルモンスターを紹介してくれた商社に意見を求めると、ネット検索で“雷を呼び寄せない避雷針”を見つけてくれました。さっそく販売店の方が製品について全体会議で説明してくれるというのです。
雷を寄せ付け難いというPDCE避雷球の仕組みや、マッスルモンスター自体を避雷エリアにするという提案を伺い、雷を集める避雷針より有効だと判断されました。
これまで現場では、雷雨の際のお客さま誘導で何ら問題が発生したことはありません。しかし、これまでに事故がなかったことは、これからも事故がないことの保証にならない。過去に例を見ない新施設を永く多くの方に楽しんでいただくには、新しい落雷対策とセットであるべきという結論に至りました。
施設の世界観に溶け込むPDCE避雷球
ドイツから資材も職人も到着し、マッスルモンスターの建設が始まりました。設計会社とPDCE避雷球の販売店が、安全域を確保しつつ、アスレチックのデザインと思えるほど違和感のない設置を実現してくれました。
こうしてマッスルモンスターは2017年3月25日に開業し、雷の事故はこの8年間で0件。おかげさまで延べ利用者数50万人が目前です。

マッスルモンスターに取り付けられたPDCE避雷球[Magnum]。点検用足場付ポールの高さは7m。
直径24cmのMagnumが小さく見える

雷雲の接近は、精細な気象予測で把握
プロ向けの総合気象地理情報システムを導入
マッスルモンスターの開業と同時期に、ピンポイントの気象予測サービスも導入しました。ネット上にはさまざまなサービスがありますが、1つに決めておかないと避難基準がぶれるため、精細な予測情報が閲覧できる有料のサービスで判断しています。雷雲までの距離で、それぞれ中止する施設を決めており、ですから再開する際も、雷雨が収まってから何分という時間ではなく、雷雲の遠ざかった距離に応じて判断します。
各施設のスタッフとは頻繁に無線で連絡を取り合っており、真っ黒い雲が近づいてきた、遠くで雷の音がするなどの情報が入り次第、ネットで雷雲を確認しています。
最善は、お客さまが屋外で雷雨に遭わないことです。PDCE避雷球で防雷エリアを確保しつつ、最新の雷雲接近情報で、雷雨前に安全な建屋に避難誘導する体制をとっています。
新施設、つり橋型アトラクションにもPDCE避雷球
マッスルモンスターと双璧をなすアトラクション
マッスルモンスターに隣接し、相模湖の上を空中散歩する感覚の「絶叫吊り橋 風天」にも、開業時からPDCE避雷球2基を設置しています。



落雷抑制システムズに対して
弊社はお客さまの120%の安全を目標に掲げています。御社の製品の力を借りてその実現にまい進していきます。

風天(左)とマッスルモンスター(右)。マッスルモンスターには階段で登ることができる展望台があり、春は山を彩る2,500本の桜と相模湖が絶景

約45万坪の広大な敷地を持つさがみ湖MORIMORI。取材時は桜が咲き誇り、夢の中にいるようでした
(取材日:2025.04.09)