内部雷対策と外部雷対策

雷に対する対策には次の二つがあります。

1)雷が建物を直撃しないようにする対策  外部雷対策
2)電線を伝わってビルの侵入してくるサージによる被害を防ぐ  内部雷対策

時間軸で言いかえれば、

1)外部雷対策は、雷が落ちる前の予防手段、

2)内部雷対策は、雷が落ちた後の対策です。

天空から見れば直撃雷の対象は点ですが、内部雷被害は線が対象となりますので、雷被害においては、どちらかといえば、内部雷被害の方が圧倒的に多く、それらのためにはSPDや耐雷トランスがあります。弊社のPDCEは、外部雷対策です。これら2つの対策はどちらも必要であり、片方だけで十分とは言い切れません。

外部雷対策として直撃雷に打たれるのが確率の問題であるのと同じく、内部雷対策でもどの程度のエネルギーがサージとして加わるのか? これも正確には落雷が発生してみなければ分かりません。 自然界の複雑な挙動の前にはどちらも同じです。 にもかかわらず、日本では内部雷対策ばかりが検討されてきました。 内部雷対策については、多くの会社がSPD,耐雷トランスなどの製品を販売しています。落雷を防ぐということを特長とした製品は、弊社のPDCEの他は、DASと呼ばれる製品の2種類があります。

PDCEでは、直撃雷の予防はできても、電線を伝わってくるサージは防げません。
同じように、耐雷トランスやSPDでは、サージは防ぐことができても直撃雷の発生自体を防げません。また、内部雷対策製品は、一次側で発生したサージを二次側に伝えないだけで、二次側で直接発生したサージには無力です。
内部雷対策製品を機能させるには、その建物内での二次側にてサージを発生させないようにすることが必要です。建物に避雷針という名の「誘雷針」を付けて直撃雷を捕捉した場合、建物内部すなわち二次側で誘導によるサ―ジが発生しますから、耐雷トランスやSPDでは防ぎきれないことがあります。

外部雷保護製品と内部雷保護製品を併用することで両方の機能を補完的に活用することができます。

PDCEの役割:直撃雷、至近距離での落雷を防ぎ、建物内部(二次側)でのサージ発生を予防する

SPD/耐雷トランスの役割:電力線や通信線を伝搬してくるサージから建物内部(二次側)を護る。